シノワズリのインテリアコーディネート
シノワズリーのインテリアコーディネートは、その昔、ヨーロッパの富裕層の間で流行した中国の様式美を取り入れた、伝統的で優美かつ豪華なお部屋です。このスタイルは、ヨーロッパと中国の貿易が始まった16世紀から17世紀にかけて生まれました。
当時、ヨーロッパでは中国の美術品や磁器、漆器などが大流行し、中国趣味の流行が起こりました。その結果、東洋的なモチーフやデザインを取り入れたヨーロッパ・スタイルが生まれたのです。
それでは、時代を超えたエレガンスとラグジュアリーな雰囲気を持つシノワズリインテリアのコーディネートの特徴を見ていきましょう。
シノワズリインテリアのフォルムと模様
シノワズリインテリアのフォルムは、猫脚などの曲線的なラインを用いるヨーロッパの古典様式と、椅子やキャビネットの背もたれを高くするなど中国の格調の高さを感じさせる様式が混ざりあっています。
また、当時のヨーロッパ人が中国的と感じたモチーフを使用した繊細で複雑な彫刻もよく用いられます。
シノワズリのインテリアの装飾や模様は、「雷文」「卍文」「透かし彫り」などが多く、模様は線状格子、蓮の花、鳥、蔦、山水などがよく描かれています。
雷文は中国文化において非常に縁起の良いモチーフとされ、富裕層の家の装飾によく使われあました。また、卍(まんじ)形の装飾も非常に縁起が良いとされ、貴族の家に飾られることが多かったようです。また、透かし彫りも人気のモチーフで、皇室の邸宅に飾られることが多かったようです。
シノワズリインテリアで使われる色と素材
シノワズリインテリアの木の色は、マホガニーなどの赤みがかったダークブラウンから艶のある飴色の木を中心に明るめのミドルブラウンまで使われます。これらは現代で用いるとクラシックで高級感のある印象を演出することができます。キッチン回りでは白に塗装されることもあります。
木以外の色は、彩度を抑えた青みのカラーが特徴的です。これは中国陶磁器によく使用される青系の色からきています。また、陶磁器に使われる白や青に、中国人が好んで使うゴールドやシルバー、朱色が組み合わされることもあります。
シノワズリインテリアの素材は、木、ガラスに加えて、透明度の高いレースカーテンや陶器といった中国らしいものが入ってきます。また、ファブリックとして、シルクやサテン、ダマスクなども中国由来の素材として高級感のあるシノワズリを演出できます。