美しいダイニングのある家
~インテリアコーディネーターが
プロの視点でコーディネートを解説します~
「美しいダイニング」と言ったら、何を思い浮かべるでしょうか?チェア単体で見たときのプロポーション、手に馴染む木肌の滑らかさ、椅子とテーブルの調和。ダイニングセットは、とても存在感のある家具です。座っても心地よく、眺めても美しいダイニングを、確かな技術で細部まで美しいデザインを実現させる、木工家具ブランド「カンディハウス」よりご紹介します。
建築か?人か?
椅子の脚は丸棒で細く、テーブルの脚は角で太い。テーブルのがっちりと太い角脚が、椅子の脚の細く繊細なところを強調して引き出しています。テーブルの安定感のある重厚な面持ちは、置き家具でありながら、まるで建築の一部のよう。一方、椅子は、丸みを帯びて、人の体に馴染む形状をしています。テーブルと椅子を合わせるときには、「調和」か「対比」を意識しますが、これは「対比」の例。品格を感じさせる重厚感と、風が通りぬけるような軽やかさのバランスが見事です。
細部が呼応する
一方、上の写真は「調和」の例です。チェアの背もたれの曲線、それに呼応するかのように、ダイニングの角もほんのわずかに曲線を描いています。まるで、チェアにつられて、ふわっとなびいてしまったよう。それだけのことで、ふわっと風が吹いたような、お部屋の中に動きが生まれる感じがします。デザインの魂は細部に宿る、なんて言いますが、本当にそうだな、と納得してしまうデザインです。
テーブルの造形美
チェアの造形はバリエーションが豊富なのに比して、テーブルは4本脚や2本脚など、一般的な形状のものが多い中、独創性が際立つこちらのテーブル。日本の「袴(はかま)」をモチーフとしたハの字に広がる板脚は、どっしりと大地に根を下すような迫力とともに、日本的な静寂の美を感じさせます。ハの字に広がった脚の延長上に中心を想像させ、人が集まりたくなる、リビングダイニングのシンボリックな存在に。同シリーズのベンチをコーディネートしても素敵です。