「コンセプト」のあるお部屋
~インテリアコーディネーターが
プロの視点でコーディネートを解説します~
インテリア雑誌で見るようなおしゃれなお部屋、あれ意外と物が多い?雑然としてる??でも、生活感がある、散らかっている、とはちょっと違う。さて、その違いは何でしょうか?――答えは、「コンセプトがある」こと。一つのコンセプトが貫かれていれば、物が増えても、おしゃれなのです!今回は、いつもインテリアのトレンドを先取りして新しいスタイルをどんどん取り入れる、「ROOM ESSENCE」から、ごちゃつき感が目にも楽しい、個性派コーディネートのご紹介です。
旅する、自由人なお部屋
ただただ「カラフルで、エスニック」というだけではコンセプトとしては不十分です。例えば、「西アジアに旅行に行くのが好きで、旅行の都度、キリムのクッションを買い集めてる。」「次の旅行に備えて、いつもリュックは、荷物でいっぱい。」「本当は外で食事するのが好きだから、家の中でも、芝生みたいなラグと切り株みたいなテーブルはお気に入り。」とか。そのくらい具体的なレベルでストーリーを作って、その主人公になりきって、お部屋を作ってみると完成度がアップします。
語りたくなっちゃう、旅の途中
こちらは、旅の途中でお気に入りだった宿を再現したようなお部屋。ホテルの照明って薄暗くて、夜遅くなると、いつもより饒舌にみんな語り出したりする、不思議な雰囲気がありますよね。そういう旅の空気感まで再現しています。例えば、設定は、デンマークの古いB&B。ほとんどベッドでいっぱいの部屋。家具は、やっぱり北欧らしいデザインで、ビンテージかな?といういうように、想像力を膨らませて。鮮やかなブルーのカーテンの、コーディネートしすぎない、無造作な感じもいい味を出しています。
さあ次の航海へ?的な、お部屋
こちらは、地球儀を眺めて、世界地図を広げて、「さぁ、次はどの町へ行く?」といった感じのお部屋です。きっと、旅をするのが最優先な住人はインテリアコーディネートなんて興味はなく、その辺にあった箱や、工場で使ってた業務用の古い家具なんかをそのまま活用しているのでしょう。こういうストーリー性のあるコーディネートに挑戦するなら、自分にまったくないキャラクター設定は厳しいもの。ちょっと自分の個性を強調したところで、設定してみると洋服や普段使っているバッグまでインテリアに馴染んでくれたりします。